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七日目 [奥様と武羅運とわたし]

善光寺詣り.jpg

 <善光寺の参拝をして来ました> 

 ペットロスという言葉があります。しかしながら、犬猫に限らず飼い主さんにとっては亡くなったのはペットではなく家族なんです。その事が分からない人達にとってこの事を理解するのは難しいでしょう。

 あれ程動物嫌いだったうちの奥様は、雲谷斎武羅運陛下(以下、「ブラちゃん」)と一緒に暮らしたこの13年11ヶ月で大きな変化を遂げました。初め触る事も出来なかった彼女はブラちゃんの世話をする為に軍手やゴム手袋で漸くその身体に触れる事が出来る様になりました。やがて素手で触れる様になりブラちゃんも心を許してお腹を出してなでなでを要求したり耳の後ろのマッサージを求めるまでになりました。そして亡くなった日の昼には生まれて初めてブラちゃんの口に手移しで梨を上げました。その時点でブラちゃんに殆ど食欲はなく、前日にドッグフードはたった8粒をを食べただけでした。それで大好きな果物から梨を食べられる大きさに切って二切れほどあげたのです。たった二切れ。それがブラちゃんには限界でした。ですがうちの奥様はそれまで何も食べようとしなかったブラちゃんが自分の手から梨を食べてくれた事がとても嬉しかった様です。

 わたしがブラちゃんを家に連れて来たのは2003年の1月10日です。生後一ヶ月を過ぎていました。とにかくお店に4匹いたパピヨン犬の中から一番目鼻立ちのはっきりしない寝ぼけた顔のこの子にわたしは一目惚れしてしまいました。
 目はパッチリせず寝ぼけてはいましたが、すっきりしたスカルの形や目の周りの色の薄茶色を見て、これは絶対美男子(当時イケメンという言葉はありません)になると確信しました。それでうちの奥様から「見るだけで買っちゃ駄目だよ」云われていたにも拘わらず連れて帰って来てしまったのです。考えて見れば当時からわたしの衝動買い(飼い)はお家芸だったのですね。

 その日、新年会から帰って来たうちの奥様の怒りは相当なもので、

「わたしを取るか、わんこを取るか、はっきりしなさい」と二者択一を迫りました。

 そこで「WANKO」と間髪置かずに応えたわたしに怒り心頭、

「今すぐ家を出る」との賜ったのです。いやはやうちの奥様のそんなに怒った姿を見たのは初めてでした。

 色々紆余曲折があって結局ブラちゃんは我が家の家族になり、うちの奥様と離縁する事はありませんでしたが、全てわたしの過ちから発生したものですからその後の数々のトラブルもわたしが全て解決しました。うちの奥様は動物嫌いであるにも拘わらず本当に良くブラちゃんの面倒を見てくれました。確実にブラちゃんと過ごした年月はわたしよりも多い筈です。その中で築いた人犬関係もわたしとは違ったかたちでの信頼関係がそこにはあったと思います。わたしとは絶対的な主従関係で結ばれていて、吠えたりはしませんが甘える時は徹底して甘えます。妻とは同じ様に甘えるのですが啼いたり吠えたり声を出してその感情表現をしていましたね。とにかく頭の良い子でマテ、フセ、オスワリの三点セットは来て三日で覚えてしまい、わたしの命令には絶対服従でした。でも甘え上手(笑)

 そんなブラちゃんですが、わたしの記憶が正しければ家に連れて来た時の体重はまだ700gあるかないかだったと記憶しています。(もしかしたら500gを切っていたかも)とにかく片掌に乗せてすっぽり収まってしまうほど小さな身体でした。名前の由来は以前に述べた通りです。

 ええ、家に着いてはじめてしたのが脱糞だったもので、それで「うんこ臭いブラウン」という不名誉な名前を付けてしまいました。ですがわたしはこの名前が気に入っていました。ブラウンは体毛が白茶だったので、白のBlancと茶のBrownを掛けてblabroにしようとしましたが、読みにくいので「ブラウン」にしました。日本名では『雲谷斎武羅運』、畜犬登録は「ブラウン」でしていました。でもね、荼毘に伏した日に登録は役所に連絡を入れて抹消しました。辛かったけれど現実は受け入れなければなりません。

 家に来て以来、本当に色々な事がありました。その一つ一つを時折思い出しながら残された家族はこれからを生きていく事になるのだと思います。遺骨はわたしもうちの奥様も筒状のアルミ製のカプセルに入れて肌身離さず持っています。これからも何処に行くのも一緒です。

 それで、ブラちゃんを正月に故郷に連れて行く前に、元気だったら連れて行こうとしていたもう一つのブラちゃんの大好きな場所、安曇野と白馬に今回行って来ました。

 WANKOと飼い主の気持ちが分かるオーナー夫妻が経営しているペンション(かな?)は今年初めてお世話になったところですがゴールデンレトリーバーのラニーちゃんが看板娘でもう一度会いたいと思って行って来ました。

ラニーちゃん.jpg 

 前日に予約を入れた時に聞いたオーナーのエリック(米国出身)からはラニーちゃんが今年8月に亡くなった事を知らされました。そしてわたしもこの日曜日にブラちゃんが亡くなった事を話し、大好きだった白馬にブラウンの分身(遺骨)を連れて行きたいと伝えました。その折に色々話をしたのですが一ヶ月ほど前に里親として同じゴールデンレトリーバーを迎えたと話を聞き楽しみにしていました。一ヶ月と聞いて子犬だと思いました。

 そして翌日そこで驚くべき妻の行動を目にします。

 その宿の名前は『バックカントリーロッジといいます。着いた時に妻に先に中に入って貰い、わたしは荷物を下ろして後から建物の中に入って行きました。そこで見たものは子犬ではなく成犬の雌のゴールデンレトリーバー「姫ちゃん」だったのです。しかも、何とうちの奥様がその姫ちゃんを撫で撫でしていたのです。小型犬でも吠える犬は苦手だったうちの奥様は特別な存在であるブラちゃん以外の犬に触れた事はありません。そのうちの奥様が大型犬の姫ちゃんを撫でたり抱きしめたりする姿にわたしは驚きました。ブラちゃんと過ごした日々がうちの奥様をいつの間にか変えていたのですね。感動です。これもブラちゃんのお蔭かな。


姫ちゃん.jpg

 

 その夜と、帰郷していたエリックの奥様が九州から戻って来た日の夜、在りし日の武羅運とラニーちゃんとの想い出を語り合いました。そしてお互いに自分の事の様に涙して心が洗われる思いが致しました。


フォーエバー武羅運.jpg 

 いつか武羅運の物語を書こうと思っています。タイトルだけは、このブログを始めた時のブログタイトルにする事が決まっています。

 これからブラちゃんの遺品の整理片付けをします。少し辛い時間を過ごす事になりそうです。

 

 

<あとがき>

 前々回、前回とたくさんのお言葉を頂きありがとうございます。個々のお言葉にはお応え出来ませんがお気持ちを頂いた事、深く感謝致します。読むたびに涙が出てしまいます。涙脆くなったのは歳の所為なのか、はたまた武羅運の事だからなのか。今は共に過ごした日々の想い出だけがつのります。

 


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枝動

こんにちは。
11月9日、ルナが浄土へ旅立ちました。寂しく空しいです。
by 枝動 (2016-11-13 15:45) 

侘び助

私もインコ・ウサギと別れた時やはり2人で泣きましたね。
ウサギは今も玄関に花に埋もれた写真に元気な時の姿を
貼り付けたのが飾ってあります。家族として暮らした事は
人も動物も同じだと思います。陛下は幸せな旅を続けていますよ♡

by 侘び助 (2016-11-13 18:38) 

なかちゃん

ボクも10月30日に善光寺へ行ってきました ^^
一番寝ぼけた顔のを選んだというのがおかしいけど、何となく解るような気がします。
もう1週間?それともまだ1週間???きっと今はまだの方かなと思いますが、いつかもうの方に代わるんですよね。
その時に初めて少しお気持ちが楽になられるのではないかと思います。
奥さまともどもお身体を大切になさってくださいね (^^)

by なかちゃん (2016-11-13 18:44) 

K

おじゃまします
子供のころ猫を何匹か飼っていましたが、ついさっきまで膝の上でゴロゴロ喉を鳴らしていたネコが、フイッと外に出て帰ってこないなあ。と、表に出ると車に轢かれていたこともありました。

今では猫も飼っていません。

ブラちゃんのご冥福をお祈りします。

by K (2016-11-13 22:25) 

hirometai

U3様
おはようございます。
安曇野にブラウンちゃんと一緒に行かれたのですね。
奥様の姫ちゃんとの出会い、ゴールデンの愛らしさを感じます。
読ませていただきながら、うちのアラレが13年で逝ってしまったことを思い出し、涙しました。
いつもお二人の傍にブラウンちゃんがいます。
私は、今でも、首の辺りにアラレの温かな息遣いを感じながら癒してもらっています。
どうぞ、ブラウンちゃんとのお別れをゆっくりなさってください。
お身体を大切になさってください。


by hirometai (2016-11-14 06:39) 

たいへー

同じ時間を共に過ごした相手がいなくなる悲しさは、
人でも動物でも同じですね。
by たいへー (2016-11-18 07:53) 

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